torchon

トーションレースのカフェカーテンです。南仏の田舎っぽくて素敵ですね




 
Barmen lace~Torchon Lace

仏和辞典でTorchonをひくと"キッチンタオル" "雑巾" "荒布"等に訳されております。
素朴な持ち味を表現しているとは言え、一寸悲しい訳ですね。

ところでヨーロッパでトーションレースと言っても全く通じません。
又ハンドメード ボビンレースの 言わゆる "トーションレース" とも意味が違っています。
では、何と言えば良いのでしょうか?
日本で言うトーションレースは、Machine Bobbin Lace (Dentelle aux fuseaux mecaniques)
が正解の様です。(単に Machine Lace と呼ぶ人も居ます。)

日本でMachine Bobbin Laceをトーションレースと命名したのです。                    
19世紀後半にMachine Bobbin Lace 機の原型は、フランス人マーエル(Malere)兄弟に
よって発明され 1889年のパリ万国博にも出展されたそうです。
以降の文章では、トーションレース機と書いて行きます。

tsukasa19世紀後半にトーションレース機の原型は発明され、昭和の初めにドイツより日本に輸入されました。
特にドイツ・バーメン(Barmen)にあったエミールクレンツェラー社は、かなり有名だった様です。
Barmenは、ドイツ産業革命の中心地で古くは紡績業が盛んな町でした。
1929年Barmenを含む5つの町が合併してWuppertal(ヴッパータル)となります。
注:ヴッパータルは、刃物の町ゾーリンゲンの北方に位置します。
製薬会社バイエルン発祥の地でもあります。
故ピナ・バウシュ率いたヴッパタール舞踊団のヴッパタールとはこの町のことです。
興味のある方は、地図を見て下さい。


Barmenの町は、残っていませんが、"Barmen lace"の名だけは残っていて
今でもトーションレースを意味しています。

Krenzler社は、1950年代に再び活動を始めるのですが、1960年代の終わりに、
Wilhelm Reising(ウイルヘルム・ライシンガー)社に吸収されてしまいます。
このライシンガー製は、現在、ヨーロッパで一番普及しているトーションレース機のようです。 
 コンピューター制御で有名な、あのハコバ(Hacoba)の名を付けたHacoba-Krenzlerは、
一体どのKrenzlerの流れなのでしょうか?
悩ましいことに、現在するKrenzlerのHPを見つけました。
独語に堪能な方、是非内容について御一報下さい。

日本では大川特殊レース工業が、最初に製造を開始し、業界の発展の大きな礎となりました。       
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製法は、組紐機と同様 各々のボビンに巻かれた糸を交錯させながら、ジャガード装置によって柄を制御するものです。

実際にトーションレース機で作られた和服の組紐も多く在るのです。
ボビンの数によって機械の大きさ変わってくるのですが、48錘 64錘 88錘 96錘 128錘
などがあります。
(52錘は、かなりレアーな機械です。これは前述したクランツェラー製です。)

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簡単なピコレースの様な物ならば、2柄同時に編み出すことも可能です。
基本的に細巾のレースしか作れません。
広幅を作るには、細巾同士を縫い合わせる(剥ぎ合わせると表現します。)作業が必要になります。

糸に対する対応力は、非常に優れております。
一時期 焼き豚のタコ糸が、トーションレース機で作られていた事を知り驚いた記憶があります。
お歳暮に頂いた焼き豚が、トーションレースで括られていたなんて
(それもスパン入りのタコ糸だった。)
思いついた人は、凄いですね!

トーションレース機では、綿の10/3
("とおばんみこ"と読みます)位の太さなんて当たりなのです。

tsukasa又繊細な細番手の糸(綿番手の72番以上の細さ)で作られたトーションレースのみを Alencon("アランソン" フランスの地方の名)と名付けて販売しております。
勿論レースとしての完成度も非常に高く、リバーレースと見まがう様な素晴らしい商品も沢山あります。

興味のある方は、飛んで見ましょう!
 
The Museum of the Beautiful Arts and the Lace

柄によっては、1日に10mも出来ないなんて!何と生産効率の悪い!
でもそれこそが、逆に時代に対応してる様な気がします。
日本で今も進化しているレースです。

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